コアラにとっての脅威

野生のコアラは様々な脅威に直面しながら生活しています。主な脅威とは生息地の減少です。

生息地の減少

人間が移住して以来、農場や住宅、鉱物の採掘、林業、商業施設、工場や道路などのために森林 を次々と伐採し拡張させています。しかし、私たちがこうしたこうした現代の快適な暮らしが必要ならば、コアラや他の野生動物が生息していない場所に建設す るべきです。また、現代生活の問題点（公共輸送機関の拡大など）そのものを解決してくべきです。 コアラの生息地について詳しい情報はこちらをクリック。

ユーカリの森林を伐採する事は、コアラを含むすべての野生動物に以下のような大きな影響を与えます。

·生息地の減少
·人間による危害の増加
·交通事故による死傷
·飼い犬や猫の襲撃による死傷
·庭園用殺虫剤の排水溝流入による被害
·生息地の内の“過密化”が起こり食物や縄張りをめぐる闘争の増加
·ストレス増加により病気に感染しやすくなる

車と犬

生息地が住宅や道路の建設によって失われると、車や飼い犬はコアラにとって深刻な脅威となります。毎年４千頭以上ものコアラが飼い犬の襲撃や自動車事故により命を落としています。

森林火災

コアラにとって森林火災は大きな危険を招く事となります。土地開発の影響を受け、孤立した小さな森林地域に生息するコアラたちは、たった一件の森林火災で生息地のすべてを失う恐れがあるからです。

コアラの病気

クラミジアによって引き起こる主な４つの病気とは、結膜炎、盲目、肺炎、尿路感染です。（特にメスのコアラは再生器官の感染により不妊症を引き起こす可能性があります。）また、クラミジアの症状は、目のただれ、胸部器官への感染、お尻の部分が常に湿っていたり、しっぽが汚れているのが顕著に見られます。クラミジア自体はもともとコアラの体内にあり、これらが直接コアラの個体数に影響を及ぼすと言う事はないのですが、コアラの生息地が減少し、そのことが原因でコアラはストレスを受けてこれらの病気を引き起こすことが明らかになっています。
一方、ビクトリア州のいくつかの島や南オーストラリアにあるカンガルー島に生息するコアラのように、たとえ健康なコアラであっても、出生地でない土地や十分にコアラを維持できる森（生息地）がない場所に移動させられた場合、コアラにとって不自然な状況となりコアラの頭数が極端に過密状態になるという問題が発生しています。この事はオーストラリア本土の問題ではありませんが、明らかにオーストラリア本土のコアラの生息地は減少しています。コアラはまた、皮膚がんや白血病のような病気により苦しめられています。

立ち枯れ

立ち枯れとは、地盤沈下、土壌栄養分の流出、その地域に生息している植物の変化、地下水の上昇、塩害、風や水による浸食、風雨や日光にさらされたり、過度の落葉（葉の減少）など、様々な要因により草や木が地上に立ったままで徐々に枯れていくことを意味する専門用語です。土地開発のための広大な森林伐採は、生態系のバランスを崩し、所々に残され孤立した森林区域を作ります。そして、この孤立した小さな森林区域が立ち枯れになる傾向にあるのです。こうしたすべての要因は森林伐採や土地開発などにより引き起こされます。コアラの主要な食物と成り得る樹木の７５％は、この立ち枯れにより減少しています。

その他コアラを脅かすもの

コアラの天敵とされる野生動物は、現在、コアラの頭数の減少にそれほど深刻な影響を及ぼしていません。コアラの天敵として、ゴアナ（オオトカゲ）やディンゴ、フクロウ、ワシ、ニシキヘビなどが挙げられますが、これらの動物は若いコアラのみを捕食するようです。

ヨーロッパからの入植以来、人の手を離れ野生化した動物は、コアラが直面している脅威のひとつです。例えば、キツネは母コアラが他の木に移動するために地上に降りてきた時に一緒にいる子供コアラを捕獲します。また、大型の凶暴化した猫も同様に子供コアラを狙います。（キツネや犬、猫などは、もともとオーストラリアに生息しておらず、ヨーロッパ人たちが自国から持ち込んだ動物です。）さらにコアラの頭数減少は干ばつ時期にもよく見られます。